CrystalMaker バージョン情報

CrystalMaker TOPはこちら

目次

バージョン 11.6

Windows & macOS共通(2025年10月2日リリース)

  • 【強化されたエネルギーモデリング】特にZIFMOFを含む複雑な有機金属構造のエネルギーモデリングを大幅に改良。
    • 複雑なMOFのより効果的なモデリングを可能にするため、プログラムが無機領域と有機(分子)領域を区別し、有機配位子と有機金属の相互作用にMM3ポテンシャルを適切に使用できるよう改良。
    • 安定した構造をもたらすMOFの新しいデフォルトポテンシャルを導入。
    • ZIFの配位子のポテンシャルを、単純なイミダゾール(-C3N2H3-)からベンズイミダゾール(BLM)、2-メチルイミダゾール(2-MIN)配位子へと拡張。
    • BDC(1,4-ベンゼンジカルボン酸)リガンドと様々な金属(Cr, Zn, Zr, V, Cd, Cu)に対するポテンシャルのセットを構築。これらの新しいポテンシャルのセットを用いて、いくつかのMOFの最適化に成功:
      • MIL-53(ht)
      • UIO-66
      • MIL-47
      • MOF-5
      • HKUST-1
    • 複数の分子からなる非周期構造を緩和できるよう改善。(旧バージョンのソフトウェアでは、このような分子が押し離される可能性があったため。)
  • ”Create Surfaces”コマンドと”Create Slabs”コマンド】任意の結晶面とスラブを簡単に作成できる新しいコマンドを追加。
    • “Create Surfaces”コマンドは希望するサーフェスの方向を指定するためのシートを表示し、次いで、その平面より上の結晶構造をスライドさせる。
    • “Create Slab”コマンドは、配向(オリエンテーション)、スラブの厚さ、および直径を指定して配向面(oriented surface)を作成するための、より強力な方法。 これにより、指定された配向に平行な一対の平面と、それに垂直な二組の平面(合計3組の平行平面)によって囲まれた原子の直方体ブロックを作成。すべての平面は平面インスペクタに追加される。(見やすさのため、デフォルトでは非表示。)
  • 【結晶形状の予測】 [EXPERIMENTAL] 結晶形状予測アルゴリズムの選択肢を提供。
      • 充填密度(Packing Density)(例えば、高密度で密着した金属構造の場合)
      • 切断された結合の密度(Density of Broken Bonds)(共有結合物質など)
      • 切断された結合強度の密度(Density of Broken Bond Strengths)(より複雑な共有結合を持つ物質の場合)(ここでいう「結合強度(Bond Strengths)」とは、ライナス・ポーリングの方法で解釈され、原子半径の和に対する結合距離の比となる。)
    • 各アルゴリズムについて、ソフトウェアはすべての低指数平面(low-index planes)(現在のところhklの最大値3まで)を計算し、各方向についてその平面に可能なすべての高さを計算。これには、表面セル(surface cells)の生成が含まれ、いくつかの非常に斜めの方向においてはサーフェスセルの生成が含まれる。これらはすべてバックグラウンドで行われ、計算が遅い場合はプログレスバーが表示され、キャンセルすることも可能。
    • パッキング密度が最も高い方向、または結合/強度の切断密度が最も低い方向は、安定した結晶表面にとって最も好ましい方向であると想定される。
    • ソフトウェアは自動的に “Shape Mode “に切り替わり、平面の切片(planar intercepts)を計算。切片を持たない平面(つまり非表示の平面)はすべて削除される。平面のリストが更新され、対称性によってグループ化および/または色付けされた後、結果の結晶形状が利用可能なプロット範囲を埋めるように拡大縮小される。
  • 【平面パッキング係数の改善】マルチプロセッシングの使用と重複インデックスの排除により、これらの計算を大幅に高速化。さらに、重み付けのためにサイト占有率を含む変更を行い、これによりダミー原子(占有率ゼロ)を無視できるよう改善。
    • また、環境設定/設定パネルの新しい測定ペイン(Measurement pane)で、距離の許容度(Distance tolerances)を調整できるよう改良。
  • 【ライブシェイプモード(Live Shape Mode)の再設計】平面インスペクタ(Planes Inspector)の”Live Shape Mode”チェックボックスをViewポップアップからSizeポップオーバーへ移動し、結晶をスライスするコマンドや、すべての原子を表示または非表示にするコマンドが含まれるよう変更。
  • 【高速回転アニメーション】パフォーマンスの大幅な最適化により、巨大な構造のアニメーションをリアルタイムで回転させることができるよう改良。再生ボタンをクリックしてアニメーションを開始し、マウスまたはトラックパッドを使用してアニメーションの回転および拡大縮小が可能。この機能は以前のバージョンでもあったものの、実装が非常に遅くパフォーマンスが「カクツキ」することがあった問題に関し、回転速度をアニメーションを使用しない場合と同等に改善。
  • 【ピラミッド型多面体(Pyramidal Polyhedra)】新しい環境設定により、多くの硫酸塩で一般的な(片面の)ピラミッド多面体の自動生成が可能。このオプションをオフにすると、配位原子は平面配置で表示され、中心原子は平面の外側に表示される。
  • 【メニューレイアウトの合理化】機能をより明確かつ直感的にするため、いくつかのメニューコマンドを移動。
    • 一部のMacBookのカメラユニット用ノッチ(Notch)エリアに干渉していたメニューの幅を減らすため、Rangeメニューを削除し、新しいTransform > Rangeサブメニューに移動。
    • 新しいTransform > Surfaceサブメニューを追加し、格子平面を含む今までの”Slice””Insert Space”コマンドを統合。
    • Range > “Define Cluster”コマンドをTransformメニューに戻し、新しいSurfaceサブメニューのすぐ下に位置。
    • ”Slice with Plane”コマンドと”Make Shape with Planes”コマンドを、1つの可視平面に対してのみ機能し、構造をスライスするよう変更。
    • 平面インスペクタ(Planes Inspector)の”Predict Using”項目へのリンクと”Create With Planes”コマンドを含む、新しいShapeサブメニューをTransformメニューに追加。
    • Transform > “List Visible”と”Summarize”を新しい “Print to Log” サブメニューに統合。
  • 【ツールストリップの改良】ツールストリップのデザインを変更。不要なボタンを1つ削除し、Outputボタンを追加。Distance Angleのボタンを再配置し、使い勝手を向上。
    • ”Atom Picker”ボタンを削除。”Add Atom”ボタンをクリックすると、ピッカーがポップオーバーではなくパネルとして表示されるよう変更。(子ウィンドウのためメインウィンドウと一緒に移動。)ピッカーは他のツールを選択するか、”Add Atom”ボタンを再度クリックすることで閉じることが可能。
    • Outputペインに素早くアクセスできるよう、ツールストリップの右側にOutputボタンを追加。
    • スクリーン距離ツールとスクリーン角度ツールを、”Add Bond”ツールと”Add Atom”ツール同様、隣同士に配置するよう変更。
  • 【エクスプローラウィンドウの再設計】Distance/Packing/Vibrations/Symmetryの各エクスプローラウィンドウを、フルハイトのコンテンツビューと独立したサイドバー/インスペクタ・ペインにデザイン変更。
    • 距離エクスプローラ(Distance Explorer)では、よりスマートなツールバーを採用。充填エクスプローラ(Packing Explorer)では、従来のステータスバー(下部)をハイライトカラーで描かれた出力テキストに置き換え、よりまとまりのあるデザインに変更。
    • 充填エクスプローラ(Packing Explorer)に、結晶構造を新しいウィンドウにコピーするか既存のウィンドウに追加するかを選択可能な、新しい Output ボタンを追加。結晶を保存せずに充填エクスプローラを閉じると、自動的に出力プロンプトが表示されるよう改善。ウィンドウには、スケールバー、グリッド、単位セル、軸、原子ラベルを切り替えるコマンドと、“Reset View Direction “コマンドを備えた新しいコンテクストメニューを追加。
  • 【元素コントロール(Elements Control)の改良】環境設定/設定パネルの元素ペイン(Elements pane)を改良。周期表ビューでは、「レンダリングされた球」(Rendered Spheres)をオフにし、代わりに「平らな円」(flat circles)を表示するオプションを追加。リストビューでは複数のリスト行を同時に編集できるように、注釈ペイン(Notes pane)では改行を可能に変更。プリセットされた表がアルファベット順にソートされるよう変更。
    • SUPER Elementsカードゲーム(https://superelements.com/)の色で表示される新しい元素表を追加。残りの元素表は半径を強調するために名前を変更。(例えば、SAR共有結合半径(SAR Covalent Radii)の代わりに結合半径(SAR)Covalent Radii (SAR)。)
  • 【主要ドキュメントの更新】このバージョンでの変更点のかなりの深さに鑑み、500ページに及ぶユーザーズガイドのほぼ完全な書き直しを実行。また、セルフガイド・チュートリアル(Self-Guided Tutorial)と新機能ガイド(What’s New guide)も徹底的に更新。これらのすべては、プログラムを実行する際にヘルプメニューから参照可能。
  • 【その他】このバージョンでは、レガシー・システムでのインターフェイス表示の改善とシステムの安定性を含む。
    • インポートパイプラインの最適化により、巨大な多重構造ファイル(DL_POLYLAMMPSVASPXSF)のインポートを高速化。
    • 複数構造のDL_POLYファイルをインポートする際、これらのファイルが巨大なサイズになりパフォーマンスを著しく低下させるため、“Auto Range “オプションを無効化。
    • 点を通して格子平面をフィットすると、新しい平面がすぐに平面インスペクタ(Planes Inspector)に表示されるように改善。(後で表示を更新する必要なし。)
    • 精度を高める環境設定が有効になっている場合、結晶を編集すると六角形の分数(hexagonal fractions : 1/61/32/35/6)が自動検出されるよう改善。
    • スペースを含むサイトラベルが Crystal Editor から自動的に削除され、CMTX ファイルにエクスポートできなくなるよう変更。これにより、その後のファイルインポート時の問題を回避可能。
    • 結合を確実にプリントできるよう3D出力を改善。結合が原子の表面から次の原子の表面へではなく、原子の中心から次の原子の中心へ伸びるよう変更。(特に二重結合と三重結合において重要。)また、容易に見分けられるように、二重または三重の円柱(シリンダー)の間の分離を改良。
    • 分子座標のリセット(Reset Molecular Coordinates)コマンドに、これから実行しようとしていることを説明するアラートを表示されるよう改善。これにより、ソフトウェアの発見可能性(discoverability)を向上。
    • 空白のスタイルを持つ原子が、球体としてレンダリングされていた3D出力を修正。
    • 結合キャップのOpenGL 4表示を修正。
    • 単位セルを変形すると、情報インスペクタ(Info Inspector)の情報と位置の文字列(positions strings)が更新されるよう改善。また、非常に稀なバグとして、ユニットセルの端に非常に近い位置にあるいくつかの原子が変換されたセルから漏れてしまうことがあった問題に対処。

Windows

  • 【ドキュメントインターフェイスの刷新】WindowsCrystalMakerを、洗練された新しいインターフェイスへ刷新。これには、再設計されたアイコンを持つ左揃えの新しいツールバー、新しいActionボタン、改良されたウィンドウペイン、アイコンを多用したメニューを含む。
    • 左揃えのレイアウトを持つツールバーに刷新。アイコンをより軽快な見た目に再設計。新しいActionボタンとOutputボタンを含む、より多くのボタンが追加された新しいデフォルトのレイアウトに変更。
    • ほとんどのメニュー項目にアイコンを追加。
    • サイドバーの左下隅にあった「+」ボタンとActionsボタンを削除。Addボタンをツールバーに復活し、Actionsの代わりにコンテキストメニューを使用可能。
    • モデルインスペクタペインからSortアイコンを削除。その代わりにコンテキストメニューを使用可能。
    • 出力ペインのヘッダーを削除。検索を行う際は、検索フィールドを表示する新しい検索コマンドを利用可能。
  • 【その他の変更点】
    • 格子面の法線とライト数(light count)が正しくなかった点を修正し、表示時の視覚的な歪み(artifacts)を解消。
    • スタイルがブランクの原子が球としてレンダリングされていた3D出力の問題を修正。
    • 原子パネル(Atoms Panel)内のソートコマンドを修正。
    • グリッドが背景のオブジェクトよりも手前に、誤った深度で表示されていた問題を修正。
    • 単位格子(unit cell)と表面における赤青ステレオ(Red/Blue Stereo)表示を修正。
    • 結合と分子の修復をした際に発生する可能性のあったクラッシュを修正。
    • 単位格子のオーバーラップ補正に関し、条件がUIで反転していた点と、単位格子の面が誤って表示されていた点を修正。
    • 多面体選択(polyhedra selection)が頂点を正しく考慮するように修正。

macOS

  • Tahoe “Liquid Glass”インターフェイス】CrystalMaker11.6は、macOS 26 “Tahoe “の新しい “Liquid Glass”インターフェイスを完全にサポート。そのために、インターフェイスのヘッダー/フッターに半透明をより多く使用するなど、広範な変更を実施。
    • macOS 11以降で実行しているすべてのユーザは、独立したインスペクタペインを含む洗練されたユーザインターフェイスの恩恵を受けることが可能。
    • アイコンをほとんどのメニューに追加。(“Tahoe “で使われている凝ったアイコンよりは大きいサイズ。)
    • サイドバーの左下隅から「+」ボタンとアクションボタンを削除。Addボタンをツールバーに戻し、Actionsの代わりにコンテクストメニューを使うことができるよう変更。
    • モデルインスペクタペインからSortアイコンを削除。その代わりにコンテクストメニューを使用可能。これにより、ボトムバーのスペースを少し空け、“Tahoe”のドキュメントウィンドウの際立ったカーブ近くにアイコンを配置しないよう改善。
    • 出力ペイン(Output pane)のヘッダを削除。検索のために、検索フィールドのある半透明のヘッダを表示する新しいサーチコマンドを使用できるよう変更。
    • スライドサイドバーに影と透明度を追加。
    • macOS 26 Tahoeの丸みを帯びた正方形アプローチと整合させるため、異なる表示スタイル(デフォルト、ダーク、クリア)をサポートする、修正されたアプリケーションアイコンを使用するように変更。
  • 【出力ログ(Output Log)のマルチタッチ回転】マルチタッチを使用して、水平と垂直の出力レイアウトを素早く切り替えることができるよう改善。
    • 出力ログの上にマウスポインターを置き、右に回転させると垂直レイアウトに、左に回転させると水平レイアウトに切り替え可能。(注:出力ログがすでに垂直の場合に右回転を試みても何も起こらず、水平レイアウトを左回転させても同様。)
  • 【その他】
    • スペースグループ(およびその他)記号の上線(overbar)文字の表示が macOS 26 Tahoe 上で正しく動作するよう修正。システムフォントの変更とAppleの重要なテキスト調整API非推奨化により、上線が非常に小さく表示され部分的に隠されていた問題を、新しいコードにより最適な上線表示のために最も適切なフォントを選択することで解決。
    • CASTEP(https://www.castep.org/)の output および densityフォーマットをmacOS 11以降で開けるよう改善。これまで使用していた新しいファイル API が、すべての CASTEP ファイルを Cell バリアント として誤って割り当てていた問題を、オペレーティングシステムに対して3つのフォーマットを明示的にクリアにすることで回避。
    • マルチスレッドでのファイルインポートが正しく動作するよう修正。最新の macOS のマルチスレッド互換性の変更により、巨大な DL_POLY または XYZ テキストファイルをインポートする際、プログラムがクラッシュすることがあった問題を修正。
    • macOS 11以前のレガシーOSで、カスタムツールバーのアイコンが正しいサイズで描画されるよう修正。すべてのツールバーのボタンは、より見やすくするために、わずかに広く(36ピクセルの代わりに40ピクセル)描画されるよう改善。
    • ポップオーバーの改善。すべてのポップオーバーが、より明るく、より軽いコントロールを表示するよう改善。
    • 距離エクスプローラ(Distances Explorer)で、“From Atom “による色付けがクラッシュの原因となることがあった、まれなメモリの問題を修正。
    • カラーパネルを使用しているときにドキュメントウィンドウを閉じることが、クラッシュを引き起こさなくなるよう修正。
    • Extras Inspectorの”Reset to Defaults”コマンドを使用した際、軸グループ(Axes Group)と反射率グループ(Reflectance Group)間の衝突が原因でサイレントクラッシュする問題を修正。
    • 距離エクスプローラ(Distance Explorer)において、距離、ペア、角度の各モードを切り替えてもツールストリップのポップアップボタン(例えば、X/中性子線)の表示がリセットされないという軽微な不具合を修正。
    • Symmetry ExplorerウィンドウでAuto Rotationが正しく機能するよう修正。
    • 赤外線スペクトルの自動スケーリングが、X軸が降順の時に正しく機能するよう修正。

バージョン 11.5.1

Windows(2025年3月3日リリース)

  • 【その他】このバージョンでは、11.5リリースで発生したスライダーやテキスト編集コントロールの修正などの雑多な問題に対処。
    • 原子が選択され選択インスペクタ(Selection Inspector)が表示された場合など、透明度スライダーが表示された際にクラッシュする可能性があった問題を修正。
    • 平面の距離(plane’s Distance)フィールドでダブルクリックした場合、hklエディタが表示される代わりにテキストが選択されるよう平面インスペクタ(Planes Inspector)を改善。

バージョン 11.5

Windows & macOS共通(Windows:2025年2月24日リリース、macOS:2025年2月17日リリース)

  • 【結晶形状】本格的な結晶形状プログラムとして、対称性に関連する格子面の簡単な追加、ならびに一括(en masse)再配置、それらの交点から形状を定義できるよう改善。オプションとして、面の色付け、不透明度の設定、形状内の原子の分離、利用可能なプロット領域を埋めるための形状のリサイズなどを追加。
    • 結晶形状モード(Crystal Shape Mode)により、目に見える格子面の最初の交点で形成される内部領域を分離。平面インスペクタ(Planes Inspector)下部にあるボタンでモードのオン/オフを切り替え可能。(次項「平面インスペクタの再設計」参照)。
    • 利用可能なプロット範囲を埋めるために形状を自動スケール(Auto-scale)。スライダーコントロールを介した手動スケールも可能。これらのコントロールを、平面インスペクタのサイズ変更(Resize)ボタンクリックによりポップオーバー表示。
    • 対称性や頂点の数により、または個々に面を着色。
    • 平面インスペクタの[アクション(Actions] > [不透明度を設定(Set Opacity)」サブメニューから、グローバルな不透明度を定義。
    • 表面構造を容易に観察できるようにするため結晶形状の外側にある原子をすべて非表示化可能。
    • Live Shape Modeにより、結晶形状を、その中に含まれる構造とともにリアルタイムにサイズ変更可能。
    • マルチ構造プログラムとして、複数の形状を組み合わせて双子関係やその他の詳細を視覚化可能。
      • 参照:GalleryウィンドウのMorphologyグループに含まれる結晶形状の広範なライブラリ。 結晶形状に関する2つの新しいビデオチュートリアル「Crystal Shapes Crystal Shapes: Basics」、「Crystal Shapes Advanced
  • 【平面インスペクタ(Planes Inspector)の再設計】結晶形状設計をできるだけ簡単にするため、平面インスペクタを完全に再設計し、対称に関連する平面の階層表示オプション、並びに、豊富なドロップダウンメニューとShapeモード/Group by Folderモードのオプションを備えた新しいボトムバーを追加。
    • 対称に関連する平面を即座に生成するオプションを持つ、より迅速な入力が可能な新しい平面追加(Add Plane)ダイアログ。
    • フォルダモード(Folder Mode)により、対称性に関連する平面をグループ化。
    • 制限距離とロールオーバーモードを備えた新しいポジションスライダ(Position sliders)。
    • 相対または絶対単位(Å)で位置を表示。
    • 結晶中心または原点からの相対位置を指定。
    • カラー(Colour)のポップオーバーに不透明度スライダーを追加。
    • ミラー・ブラヴェ指数(Miller-Bravais Indices)オプション。(現在、プリファレンスとして設定されているためドキュメントやどの結晶にも明示的に保存されていないが、 PreferencesダイアログのModelペインのLattice Planesタブを使用するか、Planes Inspector Actions ポップアップを使用して値を設定可能。)
    • 平面インスペクタのアクション(Actions)メニューに、すべての格子平面を選択または選択解除する新しいコマンドを追加。
    • 平面インスペクタ(Planes Inspector)が、SingleCrystal 5のポールインスペクタ(Poles Inspector)と密接に関係するよう改善。共に、結晶形状を簡単に編集するための必須条件であるフォルダグループ(folder groups)の階層的なグループ化と一括編集が可能。
      • 参照:新しいインターフェースと機能の簡単な紹介をする新しいビデオチュートリアル「Planes Inspector
  • 【角度エクスプローラ(Angles Explorer)】距離エクスプローラ(Distance Explorer)に、選択した原子周辺の角度範囲を表示する新しいオプションを、距離検索に続く二次的角度検索として追加。
    • 距離エクスプローラツールバーのセグメント分けされた表示モードボタンにより、距離、pdf、角度を切り替え可能。若しくは、新しいメニューコマンド Measure > Angle Distributions で、新しい角度エクスプローラウィンドウ(角度モードの距離エクスプローラ)を開くことにより同様の操作が可能。
    • 距離エクスプローラと角度エクスプローラの両方が、距離エクスプローラウィンドウに関連する結晶構造内の距離と角度の視覚化を提供することに留意。
      • 参照:角度エクスプローラの簡単な紹介をする新しいビデオチュートリアル「Angles Explorer
  • 【グロウツール(Grow Tool)】マウスをクリックしてドラッグすることで範囲を調整することが可能。 中心から外側にドラッグするとその方向に沿って範囲が拡大、内側にドラッグすると範囲が縮小。
    • キーボード修飾子
    1. シフト:範囲の変更を水平または垂直スクリーン軸方向に制限。
    2. オプション:範囲の変更を左右(または上下)の鏡像とする。
    3. コマンド: 水平方向と垂直方向に等しい範囲を変更。
    • 範囲コマンドを拡大ツールから区別するため、範囲コマンドには新しいツールバーアイコンがあることに留意。
      • 参照:拡大ツールの簡単な紹介をする新しいビデオチュートリアル「Grow Tool
  • 【モデリングの改善】モデリングエンジンに大幅な変更を加え、緩和機能の向上、パフォーマンス高速化、フィードバックの改善、柔軟性の向上を実現。
    • いくつかの有機構造における負の振動モードの防止や複雑なZIFの緩和に役立つよう、モデリングファイルを更新。
    • 緩和中にセル・パラメータを固定する新しいオプションを環境設定パネル(Preferences panel)のシミュレーションペイン(Simulation pane)に追加。(デフォルトではオフ)
    • シミュレーションプロセスの間、使用されたポテンシャルへの参照をOutput Logに出力。
    • 巨大な多面体を提供するために追加されたゼロ占有サイト(zero-occupancy sites)や、環の中心などのダミー原子を含む構造についても振動特性が計算できるよう改善。
  • 【同期コマンドの改善】Plot rangeおよびPlot centerチェックボックスが、match atoms individuallyオプションが有効なときに無効にならないよう変更。 ただし、原子範囲オプション(atom range option)は 分子モード(molecule mode)では無効になることに留意。
    • 新しいチェックボックスにより、原子の可視性(Atom visibility)を明示的に同期させることができるよう改善。 以前のバージョンで、他の原子のプロパティ(色、スタイルなど)と同じように扱われていた原子の可視性を別個に扱うように変更、特定の原子だけが見える構造のコピーで作業しても、元の構造内の他のすべての原子を非表示にすることなく、元の構造とプロパティを同期させることが可能。
  • 【ギャラリーウィンドウの改善】ギャラリーウィンドウを、サイドバーに各グループのアイコンを表示する新しい外観に変更。新しいグループとして、「Morphology」(結晶形状のライブラリ)、「Volumetric」(結晶構造のコンテキストで表示される体積データセットの例)、「Red-Blue Stereo」、「Stereo Pairs 」を追加。
    • ギャラリーに7つの新しいビデオチュートリアルを追加。
    1. Auto Range
    2. Grow Tool
    3. Angles Explorer
    4. Phonons Explorer
    5. Planes Inspector
    6. Crystal Shapes – Basics
    7. Crystal Shapes – Advanced
  • 【ユーザーガイドの改善】ユーザーガイドを再編成し、以前の「第12章:シミュレーション(Simulation)」の内容を新しい「付録D: エネルギーモデリング(Energy Modelling)」に移動、「第12章:シミュレーション」に「第11章:測定(Measurement)」にあった一般的なシミュレーション情報を移動、「第11章:測定」には新しい角度エクスプローラに関する情報を追加。
    • アペンディックスのトラブルシューティングを、MacWindowsに特化した問題と解決のヒントに分けるよう改善。 Mac向けには、Gatekeeperに関する情報と、一度ダウンロードしたアプリケーションを移動する必要性についても記述。 (ユーザーガイド「第2章:Getting Started」も参照。)
  • 【その他】
    • 不透明度が色の塗りつぶしにのみ適用され、エッジは常に不透明に表示されていた問題を改善し、格子平面のエッジがユーザー指定の不透明度を尊重するよう変更。
    • RangeメニューにHide Visible Atomsコマンドを追加し、メニュー名をShow Hidden Atomsに変更。(結晶形状を定義するときに特に有効)
    • 距離エクスプローラが、最小検索距離と最大検索距離を環境設定(preference)キーとして保存するよう変更。最大探索距離を10Åからに短縮。角度エクスプローラでは、距離と角度に異なるビンサイズを設定可能。(デフォルトで記録)
    • 距離エクスプローラと角度のエクスプローラに於いて、検索フィールドとクローズボックスが使えるよう改善。(リスト出力の上にあるヘッダーバーに表示)
    • 距離エクスプローラのモード選択を、セグメント分けされたボタンの下に、custom segmented control経由でタイトルを表示するよう改善。
    • 平面からの距離(Distance from plane)コマンドが、符号なし値から計算される平均値と標準偏差とは別に、符号付き値を表示するよう再変更。
    • 平面パッキング係数(Planar Packing Factors)の計算結果がパッキング密度の降順でリストされるよう改善。(従前はN = h2 + k2 + l2である最小N値で表示) 出力にWulff Constructionで使用するためのヘッダーと「ratio」列(実際には逆比)を含むよう変更。
    • オートスケール(Auto Scale)の新しいコマンドショートカットを他のグラフィック・プログラムと同じ「cmd-0」とし、以前のcmd-shift-Lを置き換え。
    • 拡大ツール(Magnify tool)が選択されている場合、スクロールホイール(およびトラックパッドの2本指ジェスチャー)がプロットを拡大縮小するよう改善。 移動ツール(Move tool)が選択されている場合、水平および垂直スクロールホイールを使ってプロットを移動可能。
    • 移動ツールの制約を改良。水平または垂直の動きを制約するために新しいGrowツールと同じアルゴリズムを使用。 (マウスがクリックされた後、最初のマウスの動きを使い水平か垂直かを選択し、2つのブール値を設定しマウスが離されるまでこの値を使用。)
    • 距離ツール(Distance tool)のキーボードショートカットを「R」から「S」(Screen Distance)に変更。(R」はGrowツールで使用)
    • ツールバーにオプションとしてグリッドボタンを追加。
    • 複数の構造体の配列がプログラムに渡された場合(例:CrystalDiffract 7.1Visualize Crystal Structure(s)コマンドを使用した場合、またはユーザが選択したファイルをダブルクリックした場合)、すべての非ドキュメントファイルを同じウィンドウに表示する新しいオプションを追加。
    • 複数のファイルを同じウィンドウで開くための新しい環境設定を、PreferenceウィンドウのGeneralペインにあるFile Importグループの一部として追加。
    • ファイルインポート時の「修復されたセルを表示」(Show Repaired Cell)環境設定を、分子結晶を使用するユーザーに役立つ、プロット範囲を自動設定する新しい環境設定に置き換え。
    • Export Graphicsのフォーマット、倍率、透明度が環境設定に保存され、次回起動時に復元するよう修正。
    • 結晶形状を定義するための必須条件である格子平面移動の改善。 中心からの平面の距離を定義する際、反対のインデックスを同じように扱い、 (1 1 1) (-1 -1 -1) が同じ方向に動いていたものを改善し、反対のものが反対の方向に動くよう、距離が面法線の方向に沿って中心からのオフセットに関連するように変更。
    • ノート(Notes)とキーワード(Keywords)ペインを新しい背景色に変更。ユーザが編集可能なフィールドであることを強調するため、テキストの背景色を使用。 (情報(Info)ペインは変更なし)

macOS

  • 【煩わしいSequoia 起動ダイアログの回避策】macOS 15 Sequoia上で CrystalMaker 11.0/11.1 を起動する際、「CrystalMaker は他のアプリケーションのデータにアクセスする必要があります(CrystalMaker needs to access data from other apps)」と表示される警告は、Apple が共有アプリケーショングループの命名規則を一方的に変更したため、マルチユーザグループやサイトバンドルで使用していた共有設定フォルダが認証されなくなったことが原因であることが判明。
    • 残念ながら、回避のためには Apple の新しい命名規則を採用せざるを得ず、 グループバンドルまたはサイトバンドル利用の Mac ユーザは、CrystalMaker ソフトウェアスイートのいずれかのプログラムを 1 度だけ再ライセンスする必要がある。 一旦完了すれば、もうSequuoiaシステムに煩わされることはなく、他のすべてのアプリケーションも実行可能となる。
  • 【新しいクイックルック(Quick Look)プラグイン】CrystalMaker ドキュメントが再びサムネイルを表示し、選択するとプレビューが表示されるよう改善。
    • CrystalMakerのバージョン10から11.1で使用されていた古いメカニズムがAppleによってサポートされなくなったため、最新の macOS Sequoia で動作する新しいプラグインアーキテクチャを開発。
    • 長方形だったサムネイルアイコンをSequoiaの正方形のドキュメントアイコンとして動くよう、元画像をトリミングして枠一杯に表示されるよう再設計。
    • プレビューに対し、CrystalDiffract 7と同様のスキームを使用。但し、単一画像表示ではなく、個々のパターンプレビューに対応する一連の画像をタイル状に表示。
  • 【その他】
    • 単位セル変換(Unit Cell Transformations)ダイアログのプリセット(Presets)ポップアップに、プリミティブの菱面体単位セルから六面体単位セルへ変換する便利な方法として「菱面体から六面体(Rhombohedral to Hexagonal)」オプションを追加。
    • macOS Sequoiaのグラフィックスにより、非表示の原子が表示されたままになることがある不具合に対する回避策を追加。
    • ギャラリーウィンドウで、テキストファイルが Recent Files セクションから開かれた場合、結果のドキュメントに構造の2つのコピーが表示されるバグを修正。
    • 硫酸塩のAuto Rangeに関するバグを修正。 SSeを自動的にアニオンとして分類していたため、Auto Rangeアルゴリズム中に非表示になっていたものを、カチオンとして扱うよう変更。以前表示されていたアニオンは、表示され続けるよう設定。
    • 同じ分率座標(fractional coordinates)を持つが異なる占有率(occupant)を持つ原子サイトをマージする際、結果の占有率の合計が1.0を超える場合(数値の精度が限られているために起こる可能性)にマージが失敗することがあった問題を修正。
    • 結晶情報(crystal Info)表示に於いて、単原子構造に対してセルあたりの計算式単位数(Z)が間違っていたバグを修正。
    • CMTXファイル(CrystalMaker専用テキストファイル) の「BRNG」カードが動作するよう修正。(バージョン10.5.4で導入され、バージョン11のリリースには間に合わなかったが、11.5より完全サポート。)
    • Bond Inspectorのヒストグラムがダークモード(Dark Mode)に適応し、ヒストグラムの柱に白を使用するよう改善。(Light Modeでは黒)
    • コンテンツ・ビューの上部に描画されるウィンドウ・タブバーがトグルされるバグ(ウィンドウサイズを変更した場合に表示は正しく更新されるものの、タブバーを非表示にした場合にギャップが生じる)を修正。
    • フォノン・エクスプローラ(Phonons Explorer)に於いて、分散曲線の終点がガンマ点{0, 0, 0}であった場合に曲線が正しくプロットされなかったバグを修正。
    • 平面充填係数(Planar Packing Factors)計算を使用する際、六方晶のメモリ破損の可能性があった問題を修正。
    • パッキング・エクスプローラ(Packing Explorer)で分子を回転させる際のバグを修正。
    • 原子が表示されていない場合の自動スケーリング/センタリングのバグを修正。 結晶構造が現在のプロット範囲の最大寸法をフォールバックとして使用するよう変更。これにより、格子面によって定義される結晶形状を、の距離にデフォルト設定することなくスケーリング可能。

バージョン 11.1.2

Windows(2024年11月28日リリース)

  • 【インスペクタの改良】インスペクタを大幅に変更し、よりクリーンですっきりとした外観に改良。(もともとはMac版と同じメトリクスを共有したが、Windowsに於いてフォントやユーザーインターフェイスの要素が大きくなる傾向があり、Windows版に最適化したデザインに変更、より広いインスペクタを使用しコントロールのためのスペースを確保。)
  • 【リッチテキスト出力ログ(Rich-Text Output Log)】 ドキュメントウィンドウの出力ログ(Output Log)を、リッチテキストコントロールを使用し、きれいにフォーマットされた出力テキスト(および色)で表示するよう変更。
  • 【その他】
    • 平面からの距離(Distance From Plane)コマンドで、平面の両側にある原子グループを区別できるようにするため、符号付きの値の表示に変更。
    • 重複したサイトの処理方法改善。 いくつかの構造精密化の精度限界と数値の丸めに対処し、重複したサイトが誤検出されるリスクを最小限に抑えるため、プログラムにより多くのスロップ(slopを追加。
    • 矢印(Arrow)ボタンを使い、異なる分散曲線とそのポイントを上下・前後に移動できるよう修正。
    • 平面の位置が、平面の法線の方向に沿って中心からのオフセットを参照するよう平面インスペクタ(Planes Inspector)を改善。これにより、反対のインデックスを持つプレーンがスライダをドラッグすると反対方向に移動し、結晶形状を定義しやすく改善。
    • Calculate > Plane Through Points コマンドが正しく機能するように修正。
    • 硫酸塩構造に対してAuto Rangeコマンドを使用する際の潜在的な問題を修正。SSeを自動的にアニオンとして分類することを止め、代わりに、正しい配位グループを保持するアルゴリズムによりこれらがカチオンとして扱われるよう修正。
    • ライセンスエンジンで、12月に有効期限が切れるライセンスの有効期限を表示する際の問題を修正。
    • フォノン・エクスプローラー(Phonons Explorer)に於いて、分散曲線の終点がガンマ点(gamma point{0,0,0}の場合に分散曲線が正しくプロットされないバグを修正。
    • 六方晶に対する平面パッキング係数(Planar Packing Factors)計算の際、最大インデックス(3)の制限外にある (3 -6 . 3)のような他の平面に関連する、 (33.3)のような最大インデックスを持つ平面に影響する問題を修正。
    • パッキングエクスプローラー(Packing Explorer)で分子が回転するバグを修正。
    • ギャラリーからのファイルを上書きから保護するよう修正。
    • Synchronizeコマンドを使用した後、多面体が消えてしまう問題を修正。
    • Range > Hide Stranded Atomsコマンドが正しく動作するよう修正。
    • スティックモデルの 2D ボンドにおいて、「肘関節球(Elbow joint spheres)」が誤ってプロットされていた問題を修正。
    • 振動スペクトルとフォノン(Vibrational Spectra and Phonons)に於いて、特定の環構造で不正なデータやクラッシュにつながる大きなバグを修正し、THzまたはmeVへの単位の変更に関連する問題にも対処。
    • グラフスタイル(Graph styles)がEnergyウィンドウで編集できるよう修正。
    • バンド・インスペクタ(Bonds Inspector)のミニ距離ヒストグラム(mini distance histograms)において、プログラムのハングを引き起こすことがあった問題を修正。
    • 平面インスペクタ(Planes Inspector) のコンテクストメニューのコマンドが正しく動作するよう修正。
    • コピー/エクスポートされたグラフィックスにスケールバーが正しく含まれるよう修正。

バージョン 11.1.1

Windows & Mac OS共通(2024年7月30日リリース)

  • 【距離エクスプローラー(Distance Explorer)の改良】距離エクスプローラーウインドウをオーバーホールし、より分かりやすい表示と直感的な操作ができるよう改善。
    • ツールストリップを左揃えに修正。
    • ツールバーに出力ペインとサイドバーを切り替えるボタンを配置。
    • “Search From”“Search To”をドロップダウンボタンに変更。
    • PDFサイドバーで、ラジオボタンの代わりにタブを使用されるよう変更、カラーボタンとアクションボタンを関連するタブの横に表示するよう変更。
    • ダミー要素(dummy elements)を削除し、リストコンテンツ(list content)を合理化。
  • 【ドキュメントインターフェイスの改善】全体的なユーザーエクスペリエンスを向上させるため、ドキュメントウィンドウに於いていくつかの一般的なインターフェイスの微調整を実行。
    • Atoms Inspectorのボトムバーにあるアイコンの間隔を修正し、よりすっきりとした表示に改善。Atomsリストの多面体スタイル(Polyhedral Style)をクリックして表示される多面体スタイルポップオーバーに、実際の球体スタイルの設定方法のヒントを含む、アトム球体スタイル(atom-sphere styles)に対するより詳細なツールヒントを表示するよう改善。
    • 平面インスペクタ(Planes Inspector)のボトムバーから“hkl”ポップアップを削除、Invert IndicesコマンドをActionsポップアップに移動しボトムバーをスリム化。
    • Output Logで、水平/垂直のトグルコントロールに、レイアウトモードに応じて変化するダイナミックアイコンを使用するよう変更。
  • 【その他】
    • Transform > View Direction > Parallel to Lattice Plane コマンドを、1つ以上の格子面が表示されているときのみに有効化し、平面インスペクタ(Planes Inspector)のView Parallelコマンドと同じ動作をするよう変更。View Parallelコマンドを、平面が選択されていない場合にアラートを表示するよう変更。
    • テキスト読み込みの最適化により、CIFインポートをわずかに高速化。
    • Add Centroidコマンドで、まれにクラッシュに繫がるバグを修正。

Windows

  • 【その他】
    • 時折クラッシュを引き起こしていたStop Relaxationコマンドのバグを修正。

Mac OS

  • 【その他】
    • ExtrasインスペクタのReflectance Groupに於いて、ペインの値をデフォルトにリセットするとプログラムの一部が応答しなくなることがあった問題を修正。
    • 無効な情報文字列(a null information string)によって引き起こされる可能性があった結晶緩和(crystal relaxation)中のクラッシュを修正。

バージョン 11.1

Windows & Mac OS共通(Windows:2024年6月25日リリース、Mac OS:2024年6月26日リリース)

CrystalMaker 11.1は非常にメジャーなアップデートであり、バージョン11.0.xの古いソフトウェアが間もなく正式に引退し「サンセット・モード」に入るため、全てのユーザでアップデートが必要です。

  • 【結晶の赤外スペクトル】結晶の赤外スペクトルをシミュレートする機能を追加。結果は分子と同じ”Vibrations Explorer”に表示。赤外スペクトルとフォノンモード(Phonon modes)を区別するため、以前の”Vibrations Explorer”メニューコマンドを”Vibrational Spectra”(振動スペクトル)に名称変更。各コマンドに専用のツールバーボタンを追加。(ツールバーを右クリックすることにより、内容のカスタマイズや”Phonon”ボタンの追加が可能。)
  • 【モデルインスペクタの再設計】Modelインスペクタ(原子、結合、面、体積)に、項目を追加(+)/削除()するための標準的なコントロールと、右側のリストのソートコントロールを含むフッターバーを追加。元のActionsドロップダウンメニューボタン(丸の中の省略記号アイコン)を、個々のインスペクタペイン用の独立したポップアップに置き換え。
    • a.アトムインスペクタ(Atoms Inspector):
      • カラーリング
      • 半径
      • ラベル
      • 検索
    • b.結合、面、体積インスペクタ(Bonds, Planes, Volume inspectors):
      • アクション
      • インデックスのショートカット(面インスペクタ)
  • 【メニューレイアウトの改善】ユーザーからのフィードバックを受け、メニューの配置と名称を変更。
    • “Simulate”メニューとの混同を避けるため、”Calculate”メニューを“Measure”に変更。
    • 回折(diffraction)コマンドを”Simulate”メニューに移動。
    • “Selection Info”サブメニューを”Get Info”に名称変更し、”Calculate”メニューから”Selection”メニューに移動。
    • “Repair Molecules””Repair Bonding”という別々のメニュー項目を、新しい”Repair”サブメニューに移動し、”Selection”メニューの構成要素を分かり易く改善。
    • 様々な“Isolate”コマンドを新しい“Isolate”サブメニューに集約。“Isolate”サブメニューを選択することにより、ショートカットとして“Isolate Selection”コマンドを実行。メニューをナビゲートしやすくするために項目を再グループ化。
    • “Range”メニューを改良。”Trim to Selection”を一番上のグループに移動し、新しい”Reset Range”を追加。様々な“Show”機能を、小さいもの(Asymmetric Unit)から大きいもの(Repaired Cell)に再配置。
  • 【モデリングの高速化】よりスマートなアルゴリズムと並列処理により、結晶および分子モデリング操作を劇的に高速化。基本的なセットアップステップを、UI上の作業からバックグラウンドで実行するように変更。
  • “Show Molecular Cell”アルゴリズムの改善】古いコードに於いて、非対称ユニットを表示した後フラグメントを修復していたために、非対称ユニットの表示が単一分子だけであった場合にプログラムが必要数以上の分子を生成してしまう不具合を改善。新しいアルゴリズムでは、非対称ユニットを表示した後に一時停止し、表示分子数を数え、もし1つしかなければそれ以上のアクションを行わないよう変更。分子が複数ある場合、断片が修復された後に、既存の分子の同じ部位と一致する重複分子を非表示にし、最終的にユニークな分子だけが表示されるよう改善。
    • このアルゴリズムは、1つのユニットセルの内容全体ではなく、単一の分子ユニットに注目するため従来の”Show Molecular Cell”コマンドよりも有用。複数の分子間で分割されたサイト(例えば、分子がセル境界をまたぎ、そのサイトの分率座標(fractional coordinates)がすべて正になるように調整されている場合)に対処できるため”Show Asymmetric Unit”コマンドよりも更に有用。
    • ほとんどの場合、新しいアルゴリズムは結晶の非対称単位の完全な内容を提供し、1つ以上の欠損のない、そのままの分子(intact molecules)を表示するよう最適化。まれに、分子内対称性がある場合、非対称単位よりも原子数が多くなる場合もあるが(例えば、原点を中心とした完全な6回対称性を持つベンゼン環)、単一原子だけでなく、そのままの分子を表示できる点で有用。
  • 【スマートな“Auto Range””Auto Range””Show Repaired Cell””Show Molecular Cell”コマンドを一つの”Auto Range”コマンドに統合。新しい”Auto Range”コマンドは、フレームワーク構造に対して”Show Repaired Cell”を、分子結晶に対しては”Show Molecular Cell”を選択。(以前の “Auto Range “コマンドは、余分な原子を非表示にしない“Show Repaired Cell “コマンドと同等。)
  • 【ネストされたキーワード】情報インスペクタ(Info inspector)を使用して、CrystalViewer でグループ/サブグループの項目として表示するためのネストされたキーワードを作成可能。パスの区切り文字としては、コロンを入力。(例:Mineral:Silicate:Feldspar
  • 【その他】
    • 現在の構造の表示を簡単に素早くリセットし結合の自動生成を容易にするため、”Atoms Inspector”のプリセットされた原子半径の選択を見直し、無数の表形式のオプションを、IonicCovalentvan-der-Waals3つのカテゴリのそれぞれに最適なオプションに置き換え。
    • 新たに名称変更した“Measure”メニューに、“PDF”モードで新しい”Distance Explorer”ウィンドウを表示する”Pair Distributions”コマンドを追加。
    • “Distances & Angles”メニューの出力を切り詰め、余計なセルパラメーターや座標などを含まないデータだけを表示するように変更。カットしたデータは他の出力コマンドで処理可能。
    • ツールバーの”Orient”ボタンを”Direction”に名称変更。
    • 適切な場合に、チェックボックスで垂直なZ軸を持つより大きなセルのオプションを提供するよう“Surface Cell”の生成を改善。
    • 開示グループのレイアウトを改善、冗長な“Inspector”ヘッダーを削除し、”Vibrations Explorer”のインスペクタペインを合理化。
    • “3D Stereo Pair”モードで回転ムービーをエクスポートする際に、出力フレームが必要な幅の半分だったため水平方向に圧縮されたイメージになっていたバグを修正。
    • 分子結晶のモデリングをより良くするため、プログラムの他の場所で使用されている“Williams”ポテンシャルでは扱われないいくつかの特別な要素に対して、”Universal Force Field” (UFF)非結合ポテンシャルを追加。
    • デフォルトで単一のユニットセルのみを表示するよう変更。(必要に応じ、Modelインスペクタの”Unit Cell”グループを使い変更可能。)
    • 緩和されていない結晶(unrelaxed crystal)や、ポテンシャルデータの乏しい結晶で起こる可能性があった、モード周波数が負の場合に“Density of States”(状態密度)表示がクラッシュする不具合を修正。

Windows(2024年6月25日リリース)

  • 【その他】
    • Intel統合グラフィックカード(Intel integrated graphics cards)のサポートを追加し、ウィンドウがリサイズされる非常に稀な問題を修正。環境(Preferences)設定パネルのグラフィックスペインで “Use Safety Mode”チェックをオンにすることで有効化可能。
    • “Range””View Direction”などのポップオーバーを、ツールバーボタンが非表示の時に正しく表示されるよう修正。
    • インスペクタタブまたは開示グループが一つも選択されていない場合にクラッシュする可能性があった問題を修正。

Mac OS(2024年6月26日リリース)

  • 【グラフィックス互換性の改善】macOS “Sonoma”“moving goalposts”および“Apple Silicon” Mシリーズプロセッサ)の内蔵グラフィックス機能との互換性を確保するために、グラフィックシェーダおよびその他の3Dレンダリングコードを改訂。
    • 最近のアップルのグラフィックス技術変更により、体積測定(volumetric)データのテクスチャがポスタライズされて表示され、単位セルの面や格子面を含む半透明の要素が斑点状に表示されていた問題を、修正されたコードとグラフィックスの回避策によりグラフィックスのハードウェア/OSの変更に関係なく正しく表示されるように修正。
  • 【その他】
    • 小さなウィンドウサイズでも表示できるように出力ログを改善。
    • Infoインスペクタでキーワードをダブルクリックすると、通常のテキストに戻り編集できるように変更。
    • 環境(Preferences)設定/設定(Settings)ウィンドウのペインの外観を、”Elements”ポップアップがプレーンテキストではなく、プッシュボタンとして表示されるよう改良。
    • スケールバーの可視性(Scale bar visibility)が起動時に環境設定から正しく読み込まれるよう修正。
    • Atomsインスペクタが、分子ごとにグループ化され、プロット範囲が変更されたときにクラッシュする非常にまれな問題を修正。
    • プログラムのメモリフットプリントを改善し、ドキュメントや他のウィンドウを閉じたときのリークを修正。
    • Apple Silicon 上で多面体選択が表示されないバグを修正。
    • StereoVibrations ExplorerPhonons ExplorerSymmetry Explorerウィンドウで使用できるよう改善。
    • Vibrations Explorerで背景のグリッド設定が失われる軽微な不具合を修正。
    • Packing Explorerで複数の単位セルが必要な場合に正しく表示されるよう修正。
    • Simulation Energyグラフが極端に小さいY軸の増分に対応できるよう修正。以前のバージョンで、数値精度の制限により内部カウンタが正しく更新されないため、非常にまれな状況下でプログラムがハングすることがあった問題を修正。
    • SingleCrystalCrystalMaker間の“Live Rotation Mode”に関する問題を修正。

バージョン 11.0.2

Windows & Mac OS共通(2024年2月16日リリース)

  • 【状態密度の改良】どの方向も優先されない、新しい一定分離サンプリングアルゴリズム(constant-separation sampling algorithm)を使用。環境設定パネルのシミュレーションペインから、独自のサンプリングポイント数を指定することで、自動サンプリングカウントをオーバーライド可能。
  • OHポテンシャルの追加】O-H基のポテンシャルを、リザーダイト(Lizardite)のような含水珪酸塩などいくつかの酸化物や珪酸塩に追加。
  • 【自動クローズの動作改善】エクストラ(Extras)インスペクタの自動クローズ機能を完全にオフにするのではなく、1つまたは複数の開示グループをシフト+クリックすることにより一時的に無効にするオプションを追加。
  • 【ユーザーガイドの更新】ユーザーガイドに、平面充填係数、分子体積と表面積、状態密度、さらに物理的・熱力学的特性に関する新しいセクションを追加。フォノンエクスプローラーのセクションを拡張し、個々のモードの選択とその周波数の測定についての詳細説明を追加。
  • 【その他】
    • Range > Show All Atoms in Rangeコマンドを “Show All “と改名し、隠されたボクセルが表示されるように容積データセットを再生成する機能を追加。
    • デフォルトのツールバー設定にStereoボタンを追加。
    • 環境設定パネルのシミュレーションペインに、Vibrations- ExplorerウィンドウおよびPHonon Explorerウィンドウで使用される周波数単位の環境設定を追加。Y軸値を常にユーザーの単位に正しく変換するよう修正。
    • 定数NPTモンテカルロ・シミュレーション(constant-NPT Monte Carlo simulation)をキャンセルしようとすると、プログラムがハングする問題を修正。
    • 結合がなく、適切なポテンシャルがない結晶のフォノンをシミュレートしようとするとクラッシュする問題を修正。
    • 定数NPTアンサンブルのモンテカルロ・シミュレーションで特定の構造が平面に崩壊する問題を修正。
    • 弾性定数テンソルの計算に関するバグを修正。
    • 誘電率テンソルの計算のバグを修正。
    • Sylvite (KCl)のような特定の物質に対して “Buckingham Potential “を使用した場合のフォノンの計算に関するバグを修正。
    • 状態密度ヒストグラムのメモリーリークを修正。

Windows

  • 【新しいビデオツアー】ドキュメントウィンドウ・インターフェイスを紹介し、ツールバー、ツールストリップ、サイドバー、インスペクタに加え、新しいSelectionLegendScale Barのインスペクタを含む、主なプログラムデザインの概要を説明する21分の新しいガイド・ツアーを追加。この新しいツアーは、ギャラリーウィンドウのビデオツアーセクション、またはCrystalMaker社のウェブサイトやYouTubeチャンネルで視聴可能。
  • 【その他】
    • 非常に高い解像度でグラフィックをエクスポートすると、ラベルが歪んでしまうバグを修正。
    • Show Libraryコマンドを改善。CrystalViewerがインストールされていない場合、このコマンドを選択するとアラートが表示され、直接ダウンロードするか、関連するウェブページに移動するかを選択できるように修正。

Mac OS

  • 【新しいビデオチュートリアル】ドキュメントウィンドウ・インターフェイスを紹介し、ツールバー、ツールストリップ、サイドバー、インスペクタに加え、新しいSelectionLegendScale Barのインスペクタを含む、主なプログラムデザインの概要を説明する21分の新しいビデオ・チュートリアルを追加。MacFaceTimeカメラを使って構造を回転または拡大縮小する方法を紹介する4分間の短いチュートリアルを追加。これらの新しいビデオは、ギャラリーウィンドウのビデオツアーセクション、またはCrystalMaker社のウェブサイトやYouTubeチャンネルで視聴可能。
  • 【その他】
    • ファイルタイプの識別にAppleの最新APIを使用するよう、ファイルインポートコードを更新。

バージョン 11.0.1

Windows & Mac OS共通(2024年1月16日リリース)

  • 【エネルギー計算の進捗情報】新しいプログレスバーにはキャンセルボタンが追加され、これからフォノン、熱力学的性質、状態密度計算の中断が可能。

Windows

  • 【その他】
    • 新しいマッチオプションを持つ新しい同期ダイアログを追加。
    • 回転するフォノンのアニメーションを回転(スピン)させようとするとクラッシュする問題を修正。

Mac OS

  • Show Libraryコマンドの改善】CrystalViewer がインストールされていない場合、Show Library コマンドを選択すると、直接ダウンロードするか、関連するWebページに移動するかを選択可能なアラートを表示。
  • 【その他】
    • リストエリアを拡大し、Applyボタンを取り除くことにより、Symmetry Explorerの外観を改善。
    • ツールバーのオプションとして、新しいGalleryボタンを追加。
    • 登録、サポート、ニュースレターのリンクのURLを更新。
    • Galleryウインドウからの登録とサポートリンクを、プログラムのシリアル番号とオペレーティングシステムの詳細が結果のウェブフォームに埋め込まれるよう改善。
    • SidebarLogInspector Galleryウインドウの新しいアイコンをデザイン。
    • ボリュームインスペクタでminmaxテキストフィールドを使って範囲の値を編集する際のバグを修正。

バージョン 11.0.0

Windows & Mac OS共通(Windows:2024年1月10日リリース、Mac OS:2024年1月2日リリース)

  • 【結晶エネルギーモデリング】以前のバージョンで提供されていたジオメトリ最適化(構造緩和)と基本的なエネルギー計算に比べ、より強力な結晶エネルギーモデリングエンジンを搭載。コアとなるパラメータ化されたポテンシャルの膨大なライブラリでは、既存の結合基準と原子環境の詳細な知識に基づいたスマートな選択基準とエネルギー最小化にモンテカルロ法と最小二乗法の新しいハイブリッド法を使用し、リアルタイムのジオメトリ最適化が可能。
  • 【表面の緩和】結晶の表面を緩和させることができる新しいRelax Slabコマンドを追加。スラブの上部と下部を定義するため一対の可視格子面を使用し、真空ギャップの付与により上下の構造によるエッジ効果なしに表面の周期性を提供するよう、ダミーの単位セルをスラブの平面に構築。
  • 【フォノンエクスプローラ】分散曲線や構造アニメーションを含む結晶の振動モード計算を追加。逆格子空間上の任意の点に対し格子波(フォノン)を可視化可能。逆格子空間の2点を指定し、表示された分散曲線上の点をクリックすることにより、波動ベクトルの定義、振動モードの可視化が可能。
  • 【温度と圧力のシミュレーション】温度と圧力(オプション)の影響をシミュレーションできるSimulate Temperature & Pressureコマンドを追加。指定した温度/圧力を使用し、定容積(“NVT”)または定圧(“NPT”)のモンテカルロシミュレーションが実行され、エネルギー値がプロットされた構造(理想的にはスーパーセル)のリアルタイム更新により構造変化をインタラクティブに可視化。モデリング計算のためにアモルファス構造を提供するなど、結晶性材料を無秩序に(ディスオーダー化)する有用な方法も提供。
  • 【状態密度】エネルギー・モデリングに結晶の状態密度計算を追加。異なる振動周波数の相対的なポピュレーションを示すヒストグラムとして可視化が可能。また、この基礎となる時間のかかる計算は、次のセクションにある物理的・熱力学的特性の予測の土台となっており、マルチスレッディング処理により計算時間の短縮が可能。
  • 【物理的特性と熱力学的特性】物理的および熱力学的特性、平面パッキング係数、分子体積、表面積の計算を追加。
    1. 熱力学的特性:ゼロ点エネルギー、振動エネルギー、ヘルムホルツ自由エネルギー、エントロピー、比熱容量
    2. 物理的性質:弾性定数テンソル、弾性係数、音響速度(s 波とp 波)、ヤング率、ポアソン比、誘電テンソル、屈折率
    3. 平面充填係数
    4. 分子体積と表面積:選択された分子について、Space-filling または Van-der-Waals 半径を使用して充填体積を計算し、原子の重なりによって失われた体積を表示。指定された半径に対して表面積を計算。
  • 【接触(close contacts)の表示】Show Close Contactsコマンドを追加。分子結晶におけるファンデルワールス半径の合計(±オプションの距離許容差)よりも短い原子間距離の非結合接触(” close contacts “)を表示。
  • 【パワーアップした充填エクスプローラ】充填エクスプローラを一新。対称性、セルパラメータ、分子の向き、位置決めを完全にコントロールして分子を結晶に変換。さらに密着コンタクトをリアルタイムで表示するオプションも提供。新しいTool Stripでは、リアルタイムの回転、位置決め、測定、スケーリングが可能。新しいインスペクターに、パッキング効率と密度のライブ更新を行うアニメーション化された開示グループを実装。
  • Auto range】結晶構造の範囲表示を最適化し、複雑な構造の配位トポロジーをそのまま視覚化する新しいコマンドを追加。
    • Auto Range:完全に結合した陽イオンを確実に表示するようプロット範囲を設定。
    • Show Repaired Cell:完全に結合した陽イオンを表示するようプロット範囲を拡大し、同時にセル外の陽イオンを非表示。
    • Repair Edges:単一のユニットセルではなく既存のプロット範囲に焦点を当て、プロット範囲の拡大と選択的な部位の非表示の組み合わせを使用。
    • Rangeポップオーバーのデザインを一新し、シングルクリックで軸方向の範囲を拡大する新しい “double arrow “コントロールを追加。
  • 【新しいドキュメントインターフェイス】モダンなフルハイトテーマを採用した洗練された新しいインターフェイス。
    • バージョン10以上のフローティング ツールストリップを、ツールバーの下に統合された固定ボタンバーに置き換え。
  • 【合理化されたInspectorInspectorを刷新。従来の数多いタブをInfo/Model/Extras3つのタブに集約。原子、結合、プレーン、体積データセットなどのモデルプロパティをModelタブに集約。ModelタブとRenderingタブに分かれていたその他のコントロールをExtrasタブに集約。
  • 【新しい“Volume” Inspector】専用のボリュームインスペクタを搭載。容積データセットのより細かいコントロールが可能。
  • 【キーワード】キーワードを構造ごとに保存し、表示とCrystalViewer経由の検索の両方に使用できるよう改善。
  • 【スケールバー】以前のバージョンで使用されていたスケールを示す固定ルーラーを、オプションのスケールバーに置き換え。スケールバーの位置変更、フォントやスケーリングのカスタマイズ、出力されたグラフィックやビデオへの表示が可能。
  • 【メニューレイアウトの改善】RangeSelectionSimulateの新しいメニューを追加。RangeSelectionは頻繁に使用するコマンドへのアクセスを容易にし、Simulateは結晶エネルギーモデリングに関連する新機能を含む。表示される構造に関するModelメニューと、ユーザーインターフェース(ツールバー、サイドバー、インスペクターなど)に関するViewメニューに、Model/Viewメニューを再編成。凡例、グリッド、スケールバーコマンドをViewメニューからModelメニューに移動。
  • 【ダイナミック・レッド/ブルー・ステレオ】“Red/Blue Stereo”表示において、危険領域(純粋な赤やシアンに近い色)にある色を置き換えるために必要であった色の編集・調整を自動化。
  • 【ギャラリーウィンドウ】CrystalMakerの起動時に、ギャラリーウィンドウを表示。このウィンドウ内で、最近のファイルのオープン、サンプルファイル、ビデオチュートリアル、セルフガイドチュートリアル、ドキュメント、サポートリンクの閲覧が可能。
  • CrystalViewerCrystalMakerのこれまでの統合構造ライブラリをCrystalViewer 11.1で置換え。CrystalViewer 11.1をインストールしていない場合、CrystalMaker 11から直接ダウンロードし、インストール後にCrystalViewerCrystalMakerのライセンスデータを共有。

Windows(2024年1月10日リリース)

  • 【新しいドキュメントインターフェイス】モダンなフルハイトテーマを採用した洗練された新しいインターフェイス。
    • 丸みを帯びたアイコンとリストフッターコントロールを備えた改訂サイドバー。

Mac OS(2024年1月2日リリース)

  • 【新しいドキュメントインターフェイス】モダンなフルハイトテーマを採用した洗練された新しいインターフェイス。
    • 丸みを帯びたアイコンとリストフッターコントロールを備えたフルハイトサイドバー。
    • 作業スペースを最大化する統合ツールバー(macOS 11 Big Sur以降が必要)
  • AI によるハンドトラッキング】ハンドジェスチャーによる構造の回転と拡大縮小のコントロールに対応。Macに内蔵されたFaceTimeカメラとアップルの人工知能ソフトウェアにより追加のハードウェアは不必要。(Windows版はLeap Motion Controllerが必要。)

 

バージョン11の詳細なリリースノート(CrystalMaker社サイト)

 

バージョン 10.8.3

Mac OS(2023年6月28日リリース)

  • 【その他】
    • 新しい小グループ(研究員+アシスタント4名)ライセンスのサポートの追加。
    • Deleteキーで選択範囲を削除できない問題の修正。
    • 選択範囲が表示されている場合のEdit > Delete コマンドの有効化。
    • 複数行のコメントがネストされた CIF データに関する(非常にまれな)問題の修正。

バージョン 10.8.2

Windows & Mac OS共通(Windows:2023年6月21日リリース、Mac OS:2023年3月6日リリース)

  • SingleCrystal 5のサポート】ライブ回転およびライブ回折モードを含む、近日発売予定のSingleCrystal 5をサポート。
  • 【拡張された構造チェック】既存の結晶を編集、または新しい結晶をインポートする際に、軸間角度がゼロでないこと、およびそれらの合計が360°未満であることを確認するための追加のチェックを実行。
  • 【その他】
    • アップデートチェックが新しいSSLベースのウェブサーバーで機能。
    • 構造体が弛緩すると点滅して見えることがある問題の修正。

Windows(2023年6月21日リリース)

  • 【その他】
    • CrystalMaker テキストファイルのインポート時に無効な方向行列(orientation matrix)のチェックを追加。
    • ネストされた複数行のコメントを含む CIF データに関する(非常にまれな)問題の修正。
    • 硬石膏(Anhydrite)の構造修正。

Mac OS(2023年3月6日リリース)

  • 【その他】
    • ライブラリファイルの再保存が正しく機能するよう修正。
    • [Distance Explorer]ウィンドウで距離範囲を変更した場合にプログラムがハングする問題を修正。

バージョン 10.8.12022118日リリース)

Windows & Mac OS共通

  • 【よりスマートな自動回転】SpinポップオーバーのCellオプションを改訂。最適な回転軸を中心に構造の自動回転が可能。
  • Prismaticファイルインポート】高精細透過型電子顕微鏡画像シミュレーションに使用されるPrismaticデータファイルをインポート可能。
  • 【その他】CrystalMaker textCMTX)ファイルのNoteフィールドに関する非常にまれなバグ修正。

Mac OS

  • 【その他】
    • 別ウィンドウに切り替えた際に、切り離されたポップオーバーを閉じる修正。
    • ライブラリブラウザの堆積鉱物(Sedimentary Minerals)グループに含まれる硬石膏(Anhydrite)の結晶構造に関する問題修正。

バージョン 10.82022926日リリース)

Windows & Mac OS共通

  • 【強力なオートローテーション】”Spin”のポップオーバーを完全に再設計。画面ではなく構造特有の回転、例えば、特定の結合またはセル軸を中心とした回転、回転軸を維持したまま構造を手動で回すことが可能。回転軸を画面に対して回転させる「ロックされていない回転」(unlocked rotation)のオプション追加。回転軸をスクリーン軸に平行、最も近い単位セル軸に平行、または角度フィールド(angle field)を使い完全カスタマイズに定義可能。振動モードは画面のY軸だけではなく任意の軸で機能。
  • 【新しいビューコマンド】既存の選択に対し平行または垂直に構造を表示する新しいコマンドの追加。結合選択:選択した結合に沿った構造表示、選択した結合を垂直にする構造表示の選択。原子選択:原子に沿って表示(View Along Atoms)、原子を垂直にする表示(Make Atoms Vertical)の選択がAtom Selection Inspectorに追加。一般選択:Transform > View Directionサブメニューに垂直に表示(view perpendicular)コマンド追加。
  • 【ナノスパイラル】Bend Selectionシートを再設計し、Radial Offsetフィールドを追加。円形だけでなくスパイラルセクションを定義可能。
  • 【平面からの平均距離】Calculate > Distance from Planeコマンドで平均距離と標準偏差を計算し、出力ログに記入。
  • 【より高速なSpeed Sync】シフトキーを押しながらツールバーのSyncボタンを押すことにより複数構造のドキュメントを素早く同期。
  • 【その他】このバージョンは以下の機能強化と修正を含みます。
    • Transform > Spinメニューコマンドを専用のSpinサブメニューに置換え。専用キーボードショートカット(cmd-opt-I)、Adjust Spinコマンドを使用可能。
    • Spinツールバーボタンなどの”delay”ポップオーバーボタンを押すこと、より短い遅延でポップオーバーが表示。
    • 可視座標または結晶座標の出力ファイルにユニットセルパラメータを追加。
    • [bac][bca][cba]設定に対応する重複したC2221空間グループ設定を削除。
    • 修正された値を含む新しい3体ポテンシャルファイルによる分子モデリング結果を改善。特定のケースでプログラム停止を引き起こす診断出力呼出しを削除。
    • Bij形式で表現された異方性温度係数を含むCIFファイルを正しくインポート。

バージョン 10.6 (2020年12月8日リリース)

Mac OS

※Big SurならびにApple Siliconに完全に対応するため、古いOS(macOS 10.10 “Yosemite”ならびにmacOS 10.11 “El Capitan”)のサポートが終了

  • 【ユニバーサルバイナリ】Apple SiliconとIntelどちらの環境でも動作するUniversal Binaryを採用しており、最高の柔軟性と最高のパフォーマンスを提供
  • 【Discard Symmetryの改良】Transform→Discard Symmetryコマンドで対称操作を使用可能。これにより拡張された非対称ユニット内で新たに作成されたサイトに対し、分率座標(fractional coordinates)の異方性変位パラメータ(anisotropic displacement parameters)とエラーを変換することが可能
  • 【Big Sur外観の改善】macOS 11.0 “Big Sur “上において、整合性を保つユーザインターフェースに大幅アップデート。ツールバー内でのポップアップメニュー領域の拡大とインスペクタリスト領域の縮小。Distance-、Vibration-、Symmetry Explorerウィンドウのツールバーデザインの統合とツールバーのボタンアイコンサイズの変更。環境設定パネルで標準的なツールバーの表示。つまみの非表示を防ぐスライダーの初期化。
  • 【その他】このバージョンは以下の機能強化と修正を含みます。
    • 構造リストとインスペクタの表示と非表示の切り替えが可能
    • Viewサブメニューでの構造リストとインスペクタリストの切り替えが可能
    • Tool StripでBig Surのぼやかした背景を表示
    • よりモダンなデザインと効率的な操作性のある更新チェックアルゴリズムへ改良
    • Big Surでウィンドウ再生コントロールアイコンを表示可能

 

バージョン 10.5.5 (2020年11月13日リリース)

Mac OS

  • 【Big Surに対応】
    • macOS 11「Big Sur」の新しいリスト表示に対応し、背景と結合プレビューの修正、フォント幅の変更、サイドバーのサムネイル表示の改善が行われました。

Windows & Mac OS 共通

  • 【分子座標の初期化】
    • 「Transform」 > 「分子座標の初期化」コマンドにより、分子構造物の原子座標がリセットされ、現在の画面軸に適用されるようになりました。(以前の設定では、構造物が最初に作成またはインポートされたときの初期の軸方向にセットされていました。)
  • 【その他】このバージョンは以下の改良や修正を含みます。
    • 透視図が有効な場合に多面体の破線が表示されるバグを修正しました。破線は多面体の内側ではなく、多面体の端に描画されることがありました。
    • CIFファイルから変換できない元素記号を読み込む際にまれに発生していた問題を修正しました。変換できない元素記号(例えば “Va “など)は、最も近い元素記号(例えば “V “など)に自動変換されていましたが、そのままの元素記号を保持するようになりました。
    • 選択インスペクタを使用した原子半径の設定において、10Å以上の値が可能となりました。

 

バージョン 10.5.4 (2020年8月28日リリース)

Windows & Mac OS 共通

  • 【更新情報】ファンデルワールス半径
    • Santiago Alvarez教授らが発表した最新のデータを使用して、ファンデルワールス半径がリニューアルされました。より正確な数値に改善され、対象がより広範囲となりました。
  • 【追加機能】テキストファイル内で結合の自動生成範囲を定義
    • CMTXファイル(CrystalMaker専用テキストファイル)に、距離範囲の指定とその範囲内で2種類の元素記号の間に結合(多面体)を自動生成を行う「BRNG」カードが追加されました。 このカードは既に存在する「BOND」カードや「BMAX」カードの、さらなる正確な代替手段として利用が可能です。詳細はCrystalMakerユーザマニュアルの「Appendix B CrystalMakerテキストファイル」を参照してください。
  • 【その他】このバージョンは以下の改良や修正を含みます。
    • DL_POLYファイルのインポートの改良: ヘッダー部分に5つ以上のパラメータを含むファイルのインポートが可能となりました(5つ以上のパラメータは無視されます)。
    • 不完全な(技術的に無効となる)AXSFファイルの不具合の回避策の追加。無効な構造はスキップされ、残りの(有効な)構造をロードすることができるようになりました。出力エラーメッセージに行番号が含まれるようになり、エラー時の自己診断が容易になりました。
    • 4文字未満のNOTE行を含むCMTXファイルを解析することが可能となり、テキスト内「強制改行」を適切に扱うことができるようになりました。
    • 幅が小さい結合スタイルを使用する棒状プロットにおいて、細い棒と接続する「肘関節」部分が間違った半径で描画されることがあった問題を修正しました。
    • 近接する垂直に近い結合円柱の表示における問題が解決されました。
    • 閉塞した後端でない多面体の端に点線が描画されることがあった問題が修正されました。この問題は多面体の重心位置とホスト原子位置の不一致によるものでした。

 

バージョン10へ新たに追加された機能

ゼロからのコード開発・64bitマルチコアの高速アーキテクチャ・業界をリードするグラフィック表示・合理化されたインターフェース・MacOS 10.15 Catalina対応・タッチ操作・マルチ構造の可視化・回転可能なアニメーション表示・トラジェクトリファイルの高速「スクラブ」(不要な部分を削除)・空孔率の可視化・溶剤を含まない表面表示・電子密度マップ・容積の可視化・空孔ファインダ・複数の格子面・原子/結合スタイルを追加・曲面を持つ凹面多面体・充填エクスプローラ・対称性エクスプローラ・44種類のファイル形式のロード・高性能な新しいエネルギーモデリング・振動モードと赤外線スペクトル・補間構造・粉末単結晶X線回折実況モード・1,200以上の結晶構造を含むライブラリ・ブラウザと結晶ビューアを所有

 

バージョン10の詳細なリリースノート(CrystalMaker社サイト)