VEGA Toolkit
in silico評価支援ツールVEGAの組み込み向けソリューション
目次
製品概要
VEGA
VEGAはオープンソースのアプリケーションで、中毒学、生態毒性、環境特性、物理化学特性など、多様なエンドポイント予測のQSARモデルが多数搭載されています。また、いくつかのエンドポイントに対しては1つ以上のモデルが提供されています。これらのモデルは異なるアプローチとトレーニングデータセットにより構築されたもので、コンセンサスアプローチを用いてより精度の高い予測を可能とします。
VEGAはイタリアの“Mario Negri” Institute for Pharmacological Researchが主導する科学ネットワークの中で考えられ開発され、いくつかの汎欧州プロジェクトの枠組みの中で資金提供されています。また、化学物質、化粧品、食品添加物のアセスメントのREACH規制*1ガイドラインの中で、in-vivo試験を避けるために使われるin-silicoツールの1つとして紹介されています。
VEGAはEUの公的資金が使われているためオープンソースライセンスで配布されており、公式ウェブサイトから無料でダウンロードできます。それぞれのモデルが単独のアプリケーションの形で、JAVAをサポートする全てのプラットフォーム上で動作します。
*1 REACH規制
EUの化学物質管理法規制(REACH: Registration, Evaluation, Authorisation and Restriction of Chemicals 化学物質の登録、評価、認可、および制限)。2007年6月1日発効。
化学物質によってもたらされる可能性のあるリスクから人間の健康と環境の保護を改善すると同時に、EU化学産業の競争力を強化することを目的としています。EU域内で製造・使用される化学物質に登録、評価、認可、制限の義務が課され、規制遵守、リスク管理の立証責任は企業に課されます。物質の危険性評価のためのin vivo試験による動物の検査回数を減らすために、QSARを含む動物実験代替法が促進されています。
https://www.echa.europa.eu/web/guest/regulations/reach/understanding-reach
VEGA Toolkit
複数のQSARモデルをスクリーニングや法規制の目的に使用することは最も重要なことです。しばしば産業界、規制当局や研究者は複雑な構造を持つ自分の化学情報フレームワークを持っており、QSAR単独のツールは自動化フローから排除されたり、組み込むことが困難であったりします。
この問題に答えるため、お使いのワークフローにVEGAモデルを組み込み、使用できる別のソリューションを用意しました。
VEGA ToolkitにはVEGA Models REST APIとVEGA Models CLIの2つのツールが含まれています。
利点
- 複数モデルの統合を合理化
- プラットフォーム非依存
- 計算のスピードアップ
VEGAで使用できるQSARモデル
VEGAでは与えられた化学物質に対してQSARモデルを適用し、予測値や他の必要な情報を含む評価結果レポートを得ることができます。
現在使用できる95のモデル一覧はこちらからご覧になれます。
これらのモデルは、CAESARプロジェクト、EPAのT.E.S.T.ソフトウェア、DEMETRAプロジェクト、EPISuite、IRFMN(Istituto di Ricerche Farmacologiche Mario Negri)、ISS-ToxTree、NIC(National Institute of Chemistry Slovenia)などによるものです。
PBTとCMRのアセスメント
VEGAでは単一のQSARモデルに加え、PBT*2とCMR*3を評価するための特定エンドポイントが使用可能です。これらはJanusプロジェクト*4に於いて開発されたアンサンブルアプローチを適用することにより、異なるいくつかのQSARモデルを使用したワークフローによって特性が計算され、最終的な評価結果が信頼度スコアと共に提供されます。
現在使用できる7つのエンドポイント一覧はこちらからご覧になれます。
*2 Persistent, Bioaccumulative and Toxic(難分解性、生物蓄積性、有毒性)
*3 Carcinogenic, Mutagenic or toxic for Reproduction(発がん性、変異原性、生殖毒性)
*4 https://www.vegahub.eu/portfolio-item/janus/
VEGA Models REST API
RESTインターフェースを介して使用される包括的なAPIで、VEGAの全てのQSARモデルがローカル又はネットワーク上で部品の形で走ります。REST APIエンジンはDockerコンテナとして提供され、インストールは簡単です。このソリューションでは、標的分子を含む単一のリクエストにより全てのモデルを容易に使用することができ、所望のモデルの完全な結果を得ることができます。
VEGA Models CLI
コマンドラインインターフェースは大量の分子を含むデータセットのバッチ処理を可能にします。プレーンテキスト又はJSONで提供されるアウトプットは取扱いが容易で、自動化されたワークフローに直接組み込むことができます。
詳しくは、こちら(KODE社サイト; 英語)をご確認ください。
開発元:イタリア KODE Chemoinformatics
主要な機能
VEGA Models REST API
- docker-compose.ymlファイルが提供されていますので、イメージをダウンロードしてお使いのdocker環境の中にVega-RestApiコンテナを構築することにより使用できます。
- 全てのリクエストとレスポンスはそれぞれ別のjsonファイルに保存されます。
- VEGAモデルはModelTagを使用して選択します。
VEGA Models CLI
- XMLで書かれたスクリプトを入力ファイルとしてJAVAからVegaModels-CLI-x.x.jarを実行させることにより、テキスト若しくはJSON形式で予測結果等が出力されます。
- 入力する分子セットのデータはCSVファイルで入力します。
- 使用するモデルは、単一のモデルを指定、若しくは複数のモデルをリストで指定することができ、指定しない場合は全てのモデルが使用されます(デフォルト)。
- 出力タイプを指定できます。指定しない場合にはJSON形式のフルアウトプット版が出力されます(デフォルト)。
バージョン情報
- vega-1.1.5-b48
- VegaModels_CLI-1.3
動作環境
対応OS
JAVA 11以上が動作する全てのOS上で動きます。
Docker
Windows 10の場合、Dockerを使用するためにはHyper-Vを有効化する必要があります。WSL2がインストールされていない場合、インストールして、デフォルトバージョンを2にセットする必要があります。
JAVA
JAVA 11以上が必要です。
ライセンス形態
VEGA Toolkitのライセンスは、所属機関(一般・官公庁・教育機関)によって異なります。
評価ライセンス
無償評価ライセンスをご提供可能です。
ご希望の場合、こちらの評価ライセンス申請フォームからご申請いただくか、弊社営業までお問い合わせください。
価格情報
VEGA Toolkitのライセンス価格は、所属機関によって異なります。ライセンス形態と価格については、お問い合わせフォームからお問い合わせいただくか、弊社営業までお問い合わせください。
最終更新日:2023/01/10